ブログ中毒

善良な中年男が、ふとしたことからブログにのめりこみ心ならずも
犯罪に手を染めていく・・・ブログに魅入られ壊れていく男の話

罪と罰

会社に行ってからも、ブログの事が
頭から離れることはなかった。
どんなに、コメントを上手くかわしても
このままスルーし続けたら、そのうち、
不信感を持たれるのではないか?
仲良くしている女性たちも、俺が本当は
嘘をついているとわかったら、
今まで見たいにうさおさんと呼んで、
仲良くしてくれるだろうか?
seikoさんには軽蔑されてブロックされる
かもしれないな。潔癖症だからな。


その日の帰り道、いつもなら
ブログを書くために急いで帰るのだが
寄り道をすることにした。
そこは以前、自宅の近くで、夢ちゃんを
連れて行ったことにした、小料理屋だった。


「 あらぁ、しさしぶりねえ!ふじいちゃん!」
久しぶりにも関わらず、愛想よく女将は
迎えてくれた。


「 あ、ああほんとご無沙汰してます。仕事が
 忙しくて。」


「 あらあら、いいのよぉ。
 こうして来てくれたんだから
 ビールで言いわよね?」


 「  あ、うん・・ 」


「 冷たいビールと、お通し持ってきて!
  じゃ、ゆっくりしていってね。」


女将はバタバタと厨房の方に入っていった。


二人用のテーブルにビールとお通しが運ばれ
孝男は賑やかな店内をぼんやりと眺めていた。
カウンターの隅に若い女性がぽつんといた。
待ち合わせだろうかしきりに時計を気にしている。


( 夢ちゃんみたいな子だな・・・)


ビールをちびちび飲みながら、カウンターの彼女を
見つめていた。
世の中はブログみたいにうまくいくはずが
ないじゃないか。俺が、一人でいたら悪いのかよ。
確かに今まで、マメに写真も載せていたが
コメント返したりブログパトロールのせいで
自分の時間がとれなくなったのは読者のせいじゃないか。


日頃のうっぷんがだいぶたまっていたのか、
その日の酒はいくら飲んでも酔えなかった。